ふたたびの高校数学

ふたたびの高校数学
永野 裕之 (著)

 

機械学習に興味があり手を出してみたいのだが、前提として数学の理解が必要となるため、数学の復習してみようかと思い本書を購入した。なお高校生当時は三角比のsin cosさえ理解できないほど数学が壊滅的に苦手だったことを付け加えておく。

本書はタイトルの通り高校数学の復習をテーマとしており、幾何学代数学など各単元の公式や定理の振り返りと、その証明に重点を置いている。証明にあたってはそのステップをひとつずつ丁寧に積み上げ、要所で補足も入れてくれており、かなり親切な構成になっている。それでも数学が全くできなかった自身には相当ハードではあったが、何とかついていくことが出来た。

大学受験の問題が解けるようになったわけではなく、数学に対する苦手意識が取り払われた訳でもないが、高校数学では何を学ばんとしていたのか理解することは出来たかと思う。

 

<まとめ>

本書は以下の通り7章構成になっている。

 

第1章:幾何学

・命題と照明(数Ⅰ):必要条件と十分条件や待遇、背理法など、証明にあたっての基礎となる。

・図形の性質(数A):三角形や四角形、円など図形の性質。後段の証明にあたっての基礎となる。

・三角比(数Ⅰ):直角三角形における角と各辺の比率の関係。

 

第2章:代数学

2次方程式(数Ⅰ):「ax^2+bx+c=0」の解法。

複素数(数Ⅱ):虚数(2乗すると負になる数)を用いた、複素数「a+bi」を扱う。

・高次方程式(数Ⅱ):3次以上の方程式の解法。

 

第3章:解析幾何学

・図形と方程式(数Ⅱ):座標平面上の2点間の距離や、異なる2点を通る直線の方程式、2直線の関係(平行と垂直)、円の方程式。

・不等式の表す領域(数Ⅱ):直線や円の方程式を不等式とした場合に含まれる領域。

 

第4章:数論と数列

・整数の性質(数A):素因数分解、最大公約数、最小公倍数。

・数列(数B):等差数列、等比数列、Σの計算公式・性質、階差数列。

数学的帰納法(数B):数学的帰納法の証明手順。

 

第5章:解析学

・2次関数(数Ⅰ):y=f(x)で表される関数。

三角関数(数Ⅱ):三角比を角θの関数とみなし、弧度法(ラジアン)を用いて再定義する。

・指数関数(数Ⅱ):累乗の指数として扱える範囲を自然数から0、負の数、有理数無理数に拡張する。

・対数関数(数Ⅱ):p=a^xの指数関数を、xの値を表す式に対数logを使用して直したもの。

微分積分:関数の傾き(変化率)を極限値limを使用して微分係数として表す。。詳細は著者の別著を参照されたしとして、本書では概要の説明に留まる。

 

第6章:確立と統計

・場合の数(数A):順序を考えるかどうか、重複を許すかどうかの4パターンを分け、場合の数を考える。

・確率(数A):事象の確率。

・データの分析(数Ⅰ):平均値や中央値、分散、標準偏差と相関など。

 

第7章:大学への数学

・ベクトル(数B):始点と終点をもつベクトルの加法や減法、分解、内積など。

・行列(旧課程・数C):1次方程式を行列の形式に直したもので、行列の演算や性質について学ぶ。

複素数平面(数Ⅲ):xを実軸、yを虚軸として複素数を平面に表したもの。