1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365

デイヴィッド・S・キダー (著), ノア・D・オッペンハイム (著), 小林朋則 (翻訳)

 

<あらすじ・概要>

曜日毎に定められた分野の中で1つトピックを挙げて簡潔に解説する。kindle版だと1トピック3ページ程度だが、タイトルから推測するに紙版だとおそらく見開き1ページに収まるようになっていると思われる。テーマとしては月曜は歴史、火曜は文学、水曜は芸術、木曜は化学、金曜は音楽、土曜は哲学、日曜は宗教となっており、52週で完結する。

 

<所感>

一時期書店で平積みされていたが、見かけたときにはこういった本に手を出すなんて恥ずかしいことだと思ったような記憶がある。そう簡単に教養なぞ身に着くものでもなし、安易な手段に手を伸ばすこと自体情けないといったところか。

ところが先日Amazon Prime readingで無料になっていたので、一転して読んでみることにした。実際に目を通してみると、これが意外と面白い。本書はもちろん教養を深めることも目的ではあるのだが、内容そのものは教養がどうこうといった話ではなく、各分野・各トピックのさわりの紹介で、好奇心を刺激するような内容になっている。本書を読むにあたって、教養を高めようといった意識を持った人にとっては期待外れかもしれないが、各曜日のテーマにもともと興味があり、好奇心が高まるような話が読みたい人であれば、期待に沿った内容となるだろう。また、各分野でとりあげられるトピックは特段体系立てられているわけではなく、それぞれが飛び地であることも多いため、そういった意味でも本書で教養を高めようという目的には向いていないかもしれない。

本書の原題はThe Intellectual Devotional。Devotionalは祈祷といった意味合いなので、信心深い人間が枕元に聖書を置いて夜毎目を通すように、本書も寝る前に気を落ち着けるような感覚で目を通してほしいといった意図が込められているのかと思う。日本語版はずいぶんな訳だと思うが、平積みされるほど売れたのであれば誤りでもないのか・・・